今回は、睡眠時間を2時間に短縮する方法をご紹介します。
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Uberman型睡眠とは
Uberman型睡眠とは、20分の睡眠を4時間おきに1日6回とる睡眠法です。
Ubermanと書いてウーベルマンと読みます。ドイツ語で「超人」という意味です。

通常の睡眠は一度に何時間も寝る単相睡眠ですが、Uberman型睡眠はこまめに寝る多相睡眠になります。
さて、単相睡眠に慣れきった方々なら、こうした疑問がわくでしょう?
「多相睡眠なんて、しかもUberman型睡眠なんて熟睡できなくない?」
しかし、多相睡眠自体はみなさんやったことがあるはずです。
昼寝、通学・通勤中の睡眠、授業中の居眠り…これらは全て多相睡眠の一種です。
そしてこれらを体験した人なら絶対に共感できることがあります。それは、
「昼間の睡眠、超スッキリしない!?」
これは近年、「パワーナップ」という言葉で知られた効果と関連します。
「パワーナップ」という言葉が意味するのは、15分~30分程度の睡眠が一番効率が良いということです。
なんせ、15分寝たときのスッキリ具合と、6時間寝たときのスッキリ具合を比較したとき、24倍も差がある気は全くしないのですから。
(なんなら15分寝た時の方がスッキリしてるまである)
Uberman型睡眠は、この15分~30分程度の「おいしい」睡眠だけを取ることで、睡眠の質は下げずに睡眠時間を短縮する方法なのです。
Uberman型睡眠の実践方法
免責(一応)
今から紹介する方法は、私(K8K)がUberman型睡眠を実践するにあたって、独自に生み出した方法であり、私自身は健康に問題なく生活できていました。
しかし、これらが全ての人に適用できるわけではなく、人によっては、身体に悪影響を及ぼす危険性があります。
実施される場合は自己責任でお願いします。
1.まずは「寝すぎる」
Uberman型睡眠を実現するための第一歩は、
「普段の睡眠を維持したまま、4時間ごとの睡眠も取る」ことです。

1日2時間睡眠を実現するために重要なことは、「焦らないこと」です。
そしてもっと重要なことは、「睡眠不足に陥らないこと」です。
睡眠時間を短くしよう、と思い立った人はこの2点を忘れてしまいます。
つまり、焦って睡眠時間を短くするあまり、急速な睡眠不足に陥ります。
そして、その反動で爆睡してしまうのです。
基本的な考え方を変えましょう。
今までの単相睡眠というのは、1日活動して溜まった疲れを一度に処理する睡眠です。
それに対して、Uberman型睡眠は、疲れを「こまめに」処理する睡眠なのです。
基本は、疲れをこまめに処理すること。これが大原則になります。
2.本眠を4時間以下に少しずつ削る
4時間ごとの睡眠が取れるようになってきたら、今度は本眠を削っていきます。
とはいえ、この段階になると、一度に8時間寝てしまうなんてことは少なくなります。
意図的に削ろうとしなくても、自然に目が覚めることでしょう。
意図的に削る場合、アラームで15~30分ずつ減らしていく方法があります。
この方法を使う際に注意したいのは、自分の体調と必ず相談することです。
体調に異変がある場合は、それ以上減らしてはなりません。
また、毎日15分ずつ減らすような、急速な減らし方も推奨しません。
あくまでゆっくり、体調を気遣いながら行うのがコツです。
3.本眠を延期していく
本眠が4時間以下になったら、最後に「本眠を延期」します。
これまでは本眠を1日に1回取っていたと思いますが、これを28時間に1回、32時間に1回…と延期していきます。
この作業を繰り返していけば、「基本は1日2時間、たまに1日6時間」のような睡眠スタイルになるはずです。
これらを徹底していけばUberman型睡眠になります。
ようこそ、こちらの世界へ!
睡眠が取れなかった時のリカバリー
さて、ここまではUberman型睡眠をストレートに身につける方法をご紹介しました。
しかし現実問題、1日6回の睡眠を取るというのは難しい話でもあります。
その時間に授業があるとか、会議があるとか、外せない用事があるとか…そういった様々な理由があって、私たちは自由に睡眠を取ることができません。
単相睡眠ではそうした事態は大したことがありませんが、Uberman型睡眠では大問題です。
Uberman型睡眠では、4時間ごとにこまめに疲れを取ることでバランスを取っています。
そのため、Uberman型の人間が20分睡眠をしそびれるということは、通常の人間が1日徹夜するのと同じダメージを負うのと同じことなのです!
こうした脆弱性が、Uberman型睡眠の最大の欠点でもあります。
しかし、この脆弱性はある程度リカバリーが効きます。
20分睡眠が取れなかった時、以下のルールを守ってください。
- 20分睡眠を取れなかった次の4時間は、全て睡眠にあてる。
- 2回以上連続で20分睡眠を取れなかった次の8時間は、全て睡眠にあてる。


これにより、Uberman型睡眠で拾いきれなかった睡眠を、一時的な単相睡眠でカバーすることができます。
1度単相睡眠でカバーしたなら、従来通りのUberman型睡眠にそのまま復帰することができます。
寝やすくする/寝るのを上手くなる
Uberman型睡眠において重要になるのが、「寝やすさ」です。
Uberman型睡眠では、20分の間に素早く眠りに沈み、素早く起きなければなりません。
こうした睡眠を実現するために必要な要素は、大まかに分けて3つあります。
その3つとは:環境・姿勢・意識です。
要因1:環境
寝やすい環境を整えると、その分睡眠の質も上がります。
これらは、私(K8K)が実際に行って効果があったものです。
簡易的なチェックリストとして使ってください。
(このリストは、普通の睡眠(単相睡眠)を行っている方にも効果があるはずです。)
- ブルーライトをカットする。(スマホやPC,冷房や空気清浄機などの青・緑の光にも注意。ガムテープなどを貼っておくと良い。)
- 視界に入る光を遮断する。アイマスクや遮光カーテンなどを使うとよい。
- 音を遮断する。耳栓やイヤーマフを使うと良い。
- 食欲を一時的に抑える。ナッツなどの軽食も効果的だが、食べ過ぎると消化にエネルギーがかかるので逆によくない。
- 便意を抑える。トイレには事前に行っておこう。
- 部屋を適温に調整する。冷暖房を用いるか、服装を寝やすく調整する。
また、睡眠前に摂取するカフェインですが、これは正直良くないと思います。
確かに、カフェインは飲んでから効果が出るまで数十分のラグがあり、その間に仮眠をすることで、「カフェインのスッキリ」と「仮眠のスッキリ」が組み合わさって、ものすごく良く目が覚めます。
しかし、Uberman型睡眠では4時間後にも睡眠をとります。その時に、前に飲んだカフェインが効いてしまい、良く眠れなくなるのです。
さらに、カフェインを常用すると、自分が今眠いのか眠くないのかの判断がつかなくなります。いわば自分の体のセンサーが麻痺している状態であり、これは自らの睡魔を冷静に判断するUberman型睡眠の大敵です。
よって、上のチェックリストにはカフェインは載せていません。非推奨です。
要因2:姿勢
寝やすい姿勢を見つけておくと、ルーチン化しやすくなって便利です。
大きく分けて「床に寝る」か「椅子で寝る」かの2択になるかと思います。
どちらにするかは、寝なければいけない状況や、自分の骨格の都合、精神的な落ち着きなどを加味して決めていくことになります。(オフィスではおそらく「椅子で寝る」に絞られるはずですが…)
床で寝る場合、いわゆる「手足の分かれる寝袋」で寝るのがオススメです。
「起きれない」大きな原因は、「布団にくるまっていたいから」でもあります。
手足の分かれる寝袋の場合、そのまま歩いて活動できるので、「布団にくるまりながら」「起きて活動する」ことができます。
これは起きやすさに大きな効果をもたらします。寝袋はいいぞ。
椅子で寝る場合、探すべきは最適なクッションと椅子の角度です。
リクライニングチェアのように自由に角度を調整できる場合、考えるべきクッションは頭と腰、抱き枕に絞られます。
それぞれのクッションについて、どの素材・高さ・位置が良いかを試行錯誤しましょう。
あなたの体にあった最適解が見つかるはずです。
また、一部のオフィスチェアでは角度を調整できない場合があります。
その際は机で突っ伏して寝ることになりますが、これらは骨格上、酸素の供給が少なくなってしまいます。
この場合は、寝れる別の場所を探すか、あくまで補助的な睡眠に留めた方が良さそうです。
要因3:意識
最後に重要なのが「意識」です。
「寝ようとする」と寝れなくなるので、逆に「何も考えない」ことが大事になります。
この感覚は、「瞑想」のコツを実践することで身につきやすいです。例えば、
- 自分の呼吸に集中する
- 考えようとしたら、呼吸に集中を戻す
- 体の感覚や心の感覚を感じる(が、考えずに観察する)
- 全てが過ぎ去るのを待つ
このあたりを意識しながら眠りにつくと、起きた時に大変気持ちが良いです。
この現象は人それぞれで、言語化の方法もそれぞれなのですが、私自身の感覚としては、「意識が身体を離れ、ものすごく高いところから自分自身と周りの世界を見通している感覚」が多いです。
この感覚を得た上で起きると、身の回りの世界がクリアに見えてものすごく爽快なのです。
Uberman型睡眠の副作用
Uberman型睡眠の主な効果は「睡眠時間が短くて済む」ことです。
しかし、実践すると様々な副作用があることが分かりました。
私の体験が元ではありますが、これらを書き記しておこうと思います。
(例のごとく、これは私の体感であり、万人にとってそうであると保証するものではありません。)
メリット
メリット1:時間が6倍速に感じる
Uberman型睡眠では、4時間ごとに睡眠をとります。
これは、通常の人間が24時間ごとに睡眠をとるのと比べ、6倍速です。
奇妙な現象ですが、この生活を続けると「1日が4時間」に感じます。
つまり、時間が6倍速で進んでいるように感じるのです。
もちろん、現実の物理法則はそのままなので、ボールが落ちる速度は変わりません。
しかし、Uberman型睡眠をとっている場合、ボールも遅くみえます。
いわば、肉体が遅く活動しているのを思考が眺めている状態です。
アニメ好きな人にいうなら、ドラゴンボールの「精神と時の部屋」か、アクセルワールドの「フィジカル・フルバースト」の状態にほぼ等しいとお考えください。
この性質のおかげで、思考系の作業だと6倍速で終わります。
メリット2:4時間前に覚えたことがすぐに使える
通常では、その日覚えたことは、その日の長時間睡眠を経ないと脳に定着しません。
対してUberman型睡眠では、その記憶を定着させる睡眠を1日6回行うので、4時間前に覚えたことがすぐに使えるようになります。
通常の睡眠と比べ、ミスの修正も速いし、理解も爆発的に速く進むのです。
ここで驚きなのは、意味記憶系の記憶ならば、1日20分の睡眠でも十分に定着した、ということです。
これは、「長時間寝ないと記憶は定着しない」という常識からは大きく離れたものです。
この性質は、数学など理解の「積み重ね」が必要な勉強分野に強く活きます。
6段階の理解項目がある場合、「勉強→睡眠→…」のループを6回繰り返さないと学習できないわけですが、通常の人間が学習に6日かかるところを、Uberman型睡眠は1日ですみます。
人より6倍速で理解できるのですから、これはあまりに強いメリットになります。
もっとも、こうした性質自体に新しさがあるかと言われると微妙です。
テストに追い込まれた学生が自然とやっている行動でもあるので…
デメリット
デメリット1:現実世界と時間感覚がズレまくる
これは「時間感覚が6倍速になる」のデメリット版です。
時間感覚が6倍速になっているのは自分だけで、他の人はそのままなのです!
そのため、様々な問題が引き起こされます。
向こうの「また明日連絡します」は、私にとっての「来週連絡します」になります。単なる事務連絡なのに、返信の遅さにイライラします。
また、こちらが夕方ごろだと思って相手にLINEしたら、相手から「今午前3時だよ」と怒りの返信が来たりします。これは本当にごめん。
「電車で1駅」も遠いです。極めてゆっくりに景色が流れます。遅いなぁ!
ですので、現実世界の時間を意識しないと行けない現場だと苦労することになります。
まるで別世界の人と一緒に生活している感覚になりますし、きっと相手もエイリアンと生活している感覚になるでしょう。
デメリット2:運動ができなくなる
Uberman型の1日20分睡眠では回復しにくい分野、それが「体力」です。
激しい運動を一度してしまうと、体がずっとダルいままになります。
運動している瞬間は、体の感覚や周りの動きが研ぎ澄まされますが、通常よりも非常に多くの体力を消耗します。
そしてその消耗を回復するには長時間睡眠が必要ですが、それはUberman型睡眠には存在しません。
ほんの数時間しか運動していないのに、その疲労を数日引きずってしまうのもよくあることです。
こうした疲労は、Uberman型睡眠に随時8時間睡眠を組み込むことで解決できます。
しかし、毎日運動をするような人の場合、毎日8時間睡眠をすることになります。
結果的に、それは単相睡眠と同じ睡眠スタイルになるのです。
頭脳労働が多い場合はUberman型睡眠のデメリットは少なくてすみますが、肉体を多く使う場合はやめておいた方が良いでしょう。
デメリット3:手続き記憶が覚えづらい
Uberman型睡眠中は、「体を動かす系」の記憶は覚えづらいです。
この原因はおそらく「体力が回復しない」原因と同じ種類だと思われます。
メリットの部分で、「頭を使う系」の記憶は爆発的に理解が進むと書きました。
ですので、座学だったりクイズだったりの勉強にはUberman型睡眠は威力を発揮します。
しかし、Uberman型睡眠では手続き記憶が覚えづらいです。
ですので、自動車の運転やダンスの振り入れ、包丁さばきの習得などの分野では逆効果です。
デメリット4:(多分、)寿命が縮まる
このデメリットだけは未確認です。(死なないと分からないので)
でも、寿命を縮めている感覚はすごいあります。
6倍速で生きているので、寿命が6分の1になっても全く違和感がないな…という程度のものですが。
ただし、どの程度縮まるのかは分かりません。
色々な文献や論文を調べましたが、Uberman型睡眠を実践している人のデータ自体が少ないので、どうやら研究にすらならないようです。
この記事の中で再三「自己責任」だの「免責」だのを強調したのは、このリスクが分からないからです。
ひょっとしたら、悪魔に魂を売り渡すレベルの行為かもしれないですからね。
終わりに
もしそれでも、悪魔を魂に売り渡したとしても、今現在の時間を手に入れたいならばオススメする方法ではあります。(私は実践したので…。)
もっとも、自己責任ですが。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。