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本をまとめること、本を捨てないこと

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本をまとめる。

これは、いつも読書をしない人でも、必要とされる行為です。
例えば、読書感想文を書いたり、レポートを書いたり。
下調べをするとき、重要な情報だけ抜き取ったり。
読書をしない人でも、目的を持って本に向き合う時、
「まとめる」という行為が生まれます。

この記事では、そんな「本をまとめる」ことについて、
ちょっとしたコツをお伝えしたいと思います。

おほっほ
おほっほ
この記事のまとめ教えろよ
ほーほほ
ほーほほ
「目的の設定が大事」という話じゃ

そもそも、なぜまとめるのか

そもそも本は、情報が集まってできています。

筆者が色々な場所や文献などを調査(ジャンルによっては創造)し、集めてきた情報の集大成が、本です。
その意味では、本にはすでにある程度の情報がまとまっています。

それでもなぜ、本をまとめなければならないのでしょうか。

それは、筆者の想定する目的と、読者の目的がズレているからです。

筆者は、「この本はこういう風に使ってほしいな」という目的を持って本を書きます。
教科書だったら、その分野に関する知識が正確かつ網羅的に分かるように書きます。
参考書だったら、学びたい分野について分かりやすく学べるように書きます。
小説だったら、文章を読んでいったら読者が少なからず感動するように書きます。
これらが、筆者の想定する目的です。

もし、こうした筆者の想定する目的と、読者の目的が一致している場合
本を「まとめる」必要はありません。既にその本にまとまっているからです。
だから、その分野の正確かつ網羅的な知識が欲しいなって人は、教科書をまとめずにそのまま読めばいいし、ストーリーを読んで感動したいなって人は、そのまま小説を読めばいいのです。まとめる必要なんてありません。

一方で、読者の目的は、筆者の想定とズレていることがよくあります。
例えば、小説を読んで読書感想文を書かなければならない場合。この場合、筆者は「感動してもらおう」と思って書きますが、読者は「読書感想文に書けそうなネタはないかなあ」と思って読みます。
例えば、教科書に書いてある分野の、ごく一部分についての基礎知識が欲しい場合。この場合、筆者は「分野を広く知ってもらおう」と思って書きますが、読者は「欲しい分野だけ読みたいんだよなあ」と思って読みます。

このように、読者の目的と筆者の想定がズレている場合、「本をまとめる」ということが必要になるときがあります。
正確にいうなら、「目的のズレた本をそのまま読むより、自分でまとめなおしたほうが楽だ!」と判断した時、本をまとめる必要が生じるのです。

  • 筆者の想定する目的と読者の目的は、よくズレる
  • 目的のズレがあまりに大きいなら、本をまとめよう

まとめる前に、チェックするべきこと

ですから、本をまとめる前に、チェックすべきことがあります。それは、

  • 筆者はどういう目的を想定しているか
  • 自分がこの本を読む目的は何か
  • 目的のズレは、まとめなければいけないほど深刻か

筆者はどういう目的を想定しているか

これは、その本のジャンルからも容易に推測できます。
小説なら「読者を楽しませる」ことですし、教科書なら「その分野の網羅的で正確な知識を提供する」ことだと推測できます。

また、「まえがき」「あとがき」の部分から推測することもできます。
この本を書くに至った経緯だったり、この本に込めた思いなどが書かれている場合もあるので、それらも参考材料になります。

自分がこの本を読む目的は何か

実はこの部分が、最も決めにくいところかもしれません。
課題などに追われて本を読む場合は、その課題がそのまま目的になって楽ですが、
自主的に本を読んでいる場合は、この設定が難しいかもしれません。
その場合は、下記に「主な読む目的」を用意したので、そこから選ぶと良いでしょう。

  • 本を見やすい形に要約したい
  • 誰かにオススメしたい(書評など)
  • 印象に残った文章や名言を抜き書きしたい
  • 読みながら自分の意見,コメントを考えたい
  • 抱いている疑問を解決したい
  • 新たな疑問を見つけたい

目的のズレは、まとめなければいけないほど深刻か

これは、YesかNoかで答える問題です。
他と比べると、楽に答えられる部分だと思います。

Yesの場合、「本をまとめる」という判断を下します。
ただし、本の性質によっては、いかにも「まとめ」向きな目的であっても、Noになることがある点に注意しましょう。
例えば、「印象に残った名言を抜き書きしたい」という場合。
本自体が「〇〇の名言集」という本だったら、既にまとまっているので答えはNoです。

ここでNoが出て、かつ、「この本を覚えたい」という場合があります。
そのような本に出会えることは幸運であり、覚えた場合は己の血となり肉となるでしょう。
その覚える方法としては、「テスト採点読み」勉強法がおすすめです。マジで。

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以上にあげた3つの基準がはっきりしなければ、本がまとまることなどあり得ません。
「まとめる」ということは、残すものと捨てるものを振り分けることでもあり、
それは明確な基準がなければ不可能です。
基準のないまとめは、テキストの一切を捨てることができず、全文をただ書き写すだけになるでしょう。それはまとめではなく写本と呼ばれるものになります。

正直、基準を作ってしまえば、全体の作業の半分は終わったと思って良いです。
目的ごとに多少の注意点さえ気をつければ、後は本当に流れ作業になります。

まとめる前に、以下の3つをはっきりさせよう

  • 筆者はどういう目的を想定しているか
  • 自分はこの本を読む目的は何か
  • 目的のズレは、まとめなければいけないほど深刻か→Yesならまとめよう

目的決定後の「読み」の注意点

これまでの手続きで基準がはっきりすれば、あとはそれにしたがってまとめるだけです。
それでも、多少は注意点があります。

一番大事な点は、目的に外れている部分は徹底的に「省く」ということです。

例えば、目次の段階で外れていることが明白なら、読むことすらしません。
読んでいる最中に「目的から外れているな」と思ったら、徹底的に読み飛ばします。

「まとめ」とは、「省いた結果のこるもの」です。
徹底的に「省く」ことで、まとめとしても良くなりますし、何より素早く終わります。

おほっほ
おほっほ
そもそも時短のための「まとめ」だしな
ほーほほ
ほーほほ
その通り。以下は目的別の注意点じゃ

本を「要約」したい場合

目的を「本を要約する」に設定した場合、必ず決めるべきことがあります。

それは、「字数制限をどうするか」「最低限の目的は何か」です。

字数制限をどうするか

課題で本を要約する場合は、提出条件に「2000字以内に要約」だとか「400字以内に要約」だとかが書いてあると思います。
その場合は、その字数制限を目的として使います。

自主的に本を要約する場合でも、こうした字数制限を必ず設けるべきです。
「◯字以内に要約」でもいいですし、「1ページに収まるように要約」のように面積で指定しても良いでしょう。
いずれにせよ、何かしらの制限が必要になります。
制限のない要約は、「全文書き写し」と同じになります。絶対に避けるべきです。

最低限の目的は何か

さらに必要なのが、「最低限の目的」です。
なぜ”最低限”という言葉がつくかといえば、これは字数制限と関連します。

字数が設定されている以上、元の文章に存在する豊かな機能すべてを保存することはできません。
分かりやすい具体例だったり、筆者の主張を目立たせるための一般論などは、多くの場合、切り捨てられる傾向にあります。
そのような中で、「この機能は最低限残そう」という目的を作っておけば、字数制限の下で残す部分と削る部分を明確にできます。
もし字数制限があまりに厳しく、最低限の目的すらも達成されない場合は、字数制限を引き上げるか、最低限の目的を引き下げるかのどちらかを行いましょう。

課題などでただ純粋に「本を要約せよ」と言われた場合は、

  • 筆者の主張および文章内の抽象的な部分をなるべく残し、
  • 具体的な部分(例示など)をなるべく帰納し、
  • レトリック(文章を良く見せるためだけの言い回しなど)を排除せよ

という目的が隠れている、と考えるとスムーズに行きます。

疑問を調査したい場合

疑問の調査が目的になっている場合、一つだけ留めておくと心が楽になることがあります。

それは、「1つの疑問が解決した時、新たに2~3個の疑問が生まれても不思議ではない」ということです。

疑問を解決してスッキリしたい人にとっては、この現象は地獄に思えるかもしれません。
だって、消しても消してもなくならないのですから!

でもこれは諦めてください。知識ってそういうものなのです。
知識は、すでに存在する様々な知識が結びついて、新たに生まれていくものです。
そうして新たに生まれた知識同士がさらに結びついて、また新たな知識になります。
そのようにして人類の知識というのは発展してきたのです。仕方がないんです。

その分野についてまだ初心者の場合、新たに生まれた疑問でも、その本の後の方だったり、より上級者向けの本に答えが書いてあることがほとんどです。
しかしそこからさらに新たな疑問がわいたとき、その答えは最新の研究論文にしか書いていないかもしれません。もしくは同世代のトップの脳内にしか、存在しないかもしれません。
そこにも存在しない場合、あなたは知識の最前線に立っています。
その場合、あなたが研究するのです。

もしそれでも、疑問が生まれることに耐えられないならば、「疑問リスト」を作っておいて、そこに登録していきましょう。
そして、定期的に並べ替えて、TOP10以外は気にしないようにしましょう。
そうすれば、一度に抱える疑問は10個ですみます。

読書感想文を書く場合

読書感想文も一種の「まとめ」ですが、「自分の感想」も書くという点が特殊です。

読書感想文の目的を雑にいえば、「課題図書を使って、あなたっぽい感想や考えを言おう」ということです。
極端に言えば、あなたっぽい感想や考えが言えたのなら、課題図書を一行しか引用しなくても全く問題ありません。

これは一種の裏技ですが、小説などを使って読書感想文を書く際は、「自分の考え方と全く同じキャラ」か、「自分の考え方と真反対のキャラ」が登場する本を選ぶと良いです。
「私はこのキャラクターに共感できる。なぜなら〜」や、「私はこのキャラクターの言動が信じられない。特に〜」のように、自分とキャラを比較してあれこれ感想をいうスタイルは非常に書きやすく、自分の個性も出るからです。

おほっほ
おほっほ
あとはキャラの考察とか、描写の文体を似せたりした後、深く感動して深イイ話ぶちかませば即文部科学大臣賞よ
ほーほほ
ほーほほ
またまたナメすぎたことをおっしゃる…

本は捨てないで

最後に、「本をまとめる」ことと表裏一体である「本を捨てないこと」についてお話しさせてください。

本をまとめ終わった時に陥りがちな失敗が、「この本、もう用済みなんじゃね?」と思い、捨ててしまうことです。
たしかに手元には本をまとめたノートがありますし、自分が手に入れるべき情報は吸い取り終わったかのように見えます。
しかし、その本が本当に用済みになったかどうかは、最低でも5年は待たなければ、判断は下せないと思います。

「その本は用済みである」と判断を下したのは、本を読む前の自分です。
しかし読書というのは、本を読む前の自分を捨て、本を読んだ後の自分へと成長する行為でもあります。
本を読んだ後の自分が、その本を新たに見直したら、また新たな用途が見つかるかもしれません。
さらに言えば、その本の知識が自分の身になり、実生活でも使えるようになってからもう一度その本を見たとき、作者の新たな意図に気づくことができるでしょう。
そしてその気づきは、間違いなく、自分自身が成長したからだと分かるのです。

本には豊富な機能がありますが、その豊富さに気づくには自身の成長が必要です。
その成長のためには、本を実際に読むことも、実生活における時間経過も必要です。
「用済みである」と判断を下すには、あまりに、あまりに早いでしょう。

ですから、なるべく本は捨てない方が良いと思います。
一度読んだだけでは、本は腐りませんので。

おほっほ
おほっほ
このブログは一回読むくらいで良い
ほーほほ
ほーほほ
そういうこと言わないの!定期的に加筆してるんだから…

良いまとめライフを!